あーとらいふのススメ

これからの時代、IOTやAIなどデイ四次産業革命が一層進展します。一方、急激な変革の中でこれまで以上にメンタル面でヒトへの影響が懸念されます。 生活にアートを取り入れながらワクワクする快適な生活に向けてお役に立つブログにしたいと思います。

ゴッホと日本画

最近は日本画にどっぷり漬かってますが、そのキッカケとなったのは片山球子さん
でした。
大胆かつ、色彩感覚豊かなタッチはスカッとするものがあります。
一方、洋画では「ひまわり」で有名なオランダ出身の画家フィンセント・ファン・ゴッホ が同じ魅力を持った画家です。
彼は油絵で力強く荒々しい、強烈な色彩による数多くの作品を10年という短い間に残しました。
画家の内面をそのまま反映したかのような独自の表現は、鑑賞者を魅了します。
今回は、のゴッホの素晴らしさを、日本画と対比してみました。

1.絵画を構成する二つの要素
色彩感覚に優れたゴッホは、中間色である灰色(実際には色んな混色による灰色がある)を巧みに使用した。注目すべきは、色彩的に深く、色彩の響きあいを出 すために、灰色の周辺にくすんだ赤、赤紫、紫、青紫、青、青緑、黄 緑、黄、橙、朱などの色が散らばらせました。また、「補色(互いに引き立てあう色)」の効果が互いの色を輝かせ、色に深みがありました。
この補色の使い方は、私も「色彩」を勉強して知りましたが、活用できるようになりたいものです。

2.同じことを繰り返さない
ゴッホは、オランダ時代、ものごとを極めるためにはそれ相応の枚数が必要と考え、同じテーマで20枚を超えるモチーフや人物、風景を描いています。新しい作品に向かう時には、同一のテーマの作品を多数描いたが、単純な模写や繰り返しは 一枚としてないのです。
同じ繰り返しをしない、これは日本画で同じで相通じるものがあります。

3.色彩への繊細な感性、観察力とこだわり
ゴッホの空は白ではなく、赤、青、黄などを使い、味のある雲が輝いています。
画家は自由に思いを色に表現する。これが絵画の醍醐味であり、楽しいところです。
 大切なことは作品に効果を上げ、表現として生きたかどうかです。その評価は見る人が決めます。

4.浮世絵が果たした役割
ゴッホといえば、日本の「浮世絵」に感銘して作品にしていることでも有名です。
日本の絵画と洋画の違いを列挙してみると、①陰影がない、(よって、丸みや量
感がない)、②奥行のある遠近感や立体的な再現にこだわっていない、③輪郭線が
重要な要素となっているなどです。
ゴッホは、浮世絵の辺面画に明るい太陽の刺激を受けながら、色彩の輝きの追求 に取り組んだのでしょう。そもそも、洋画の基本はデッサン力にあり、写実的ですが、これに対し、「省略と誇張」を重要視する日本画は、単純化や肉付けなどで思いを表現します。

5.素描、油絵、スケッチの関係
素描には、その場に立ち自分の目で見たことが描かます。油絵には、素描にはない新たな発見や糸が盛り込まれ、両者には必ずいくつもの不一致が見出せる。一 方、スケッチはタッチに勢いがあり、伝えたいことが端的に描かれ、説明的要素がありません。
ゴッホの作品には、描かれている作業する人や国旗のはためき方など、細かいところを見ても同じことを繰り返さないゴッホの信念が貫かれています。
日本画は、①写生を繰り返しながら、②題材を研究して相手を知ることから始まり、③その題材に対する作者の思いが「省略と誇張」によって作品となっていくところが面白い。

6.ゴッホの色の作り方
1. 灰色を作る。白、赤(カーマイン)、青(コバルトブルー)、黄の三原色を 灰色になるまで混色します。

2. それ以外に、朱、緑、青(ウルトラマリン・ブルー)などの基本色を加えます。

3. 12色環上の色は最高に鮮やかであるが、それだけを組み合わせても画面は心
地よく輝くとは限りません。人間の目に飛び込んでくる色彩の大半は原色ではく、人間の感性は違和感や拒絶反応を示します。

4. 明るい灰色にコバルトブルーを混ぜると、澄んだ透明な空になるが、灰色の代わりに白であれば、粉っぽく、深みがなく絵にならない。ゴッホの基本は、灰色の周辺の色を作りうまく対比させます。例えば、くすんだ色同士の小豆色と鶯色、この2色は単独では目立たない色であるが、並置すれば、渋く輝き、飽きのこない対比を作ってくれます。

ゴッホのパレット
基本的な色は、赤、黄、青の3色。「混合色」というのがオレンジ、緑、紫です。そこで黒や白もいくらか加えれば、様々な灰色が無限に得られるのです。