あーとらいふのススメ

これからの時代、IOTやAIなどデイ四次産業革命が一層進展します。一方、急激な変革の中でこれまで以上にメンタル面でヒトへの影響が懸念されます。 生活にアートを取り入れながらワクワクする快適な生活に向けてお役に立つブログにしたいと思います。

絵を描く悦び

私は絵が好きで、ここ数年日本画を描いています。
以前は、油絵やアクリル画を描いていましたが、日本画の天然岩絵の具の美しさに魅了された一人です。
パステルを使った絵も面白く、今でも使用した絵を描きますが、兎に角「面白い」の一言につきます。
日本画といえば、横山大観奥村土牛千住博が好きです。
横山大観先生が奥村土牛先生に、「すべての作品には宇宙がなければいけない」と仰ったそうですが、私には意味が分かりません。
ただ、千住博先生の書籍「日本画を描く喜び」に以下のようなことが書かれています。

今から約137億年前、真っ暗やみの宇宙は突然の膨張と共に直後に起こった大きな爆発(ビックバン)によって生まれた。全てが飛び散り、宇宙はまたたく間に圧倒的なスケールで広がり、その拡大は今でも続いている。
そして約46億年前に核融合で太陽が生まれ、同じ頃に10数個の小惑星が衝突して地球が生まれた。その衝突で火の玉のように燃えて大きな塊(かたまり)となった地球は、鉄分を含む重い岩石を中央に集めながら太陽を回る軌道に乗った。
地球の周囲には大量のガスが発生し、雨を降らせ広大な海が誕生した。そして、約37億年前に海中で生命が誕生した。その生命は単純なものから始まり、次第に複雑になって、長い年月をかけて生命は地上へと上がった。
やがて、動物が誕生し、長い道のりを経て約320万年前に人類の先祖へと進化した。
そしてヒトは、自然の石や砂を身に塗りつけ、身体を装飾することで宇宙とコミュニケーション、あるいは一体化を図ろうとした。
その後、2万4000千年前には彫刻を作ったり、その岩の粉や砂をもちいて壁に動物の絵を描き、言わば神話を語り継いでいくことになった。
やがて、人々は動物の油脂を使うことで画面に定着させることを考え、膠が生み出された。
更に1000年前の平安時代には和紙が考案され、今の日本画が生まれた。
従って、足元の角の取れた丸っこい石ころを見たら、その石ころは地球が誕生して以来、気の遠くなるような間、雨に打たれ、風に吹かれ、川に流され、海で洗われものかもしれない。もっと言えば宇宙そのものの神秘に通じるものであり、岩絵の具もまた宇宙そのものである。

そう考えると、日本画に限らず、キャンパスに絵を描くということは「自分の宇宙を描く」悦びなのだと思います。
描くことで、自己を表現し、かつ自ら癒されます。
日本画は「省略と誇張」であるといわれます。
自らの主張を「誇張」し、必要でないところを「省略」するところに面白さがあります。
音楽を聴きながら絵を描く、うまい下手は兎も角、私の悦びの時間です。