あーとらいふのススメ

これからの時代、IOTやAIなどデイ四次産業革命が一層進展します。一方、急激な変革の中でこれまで以上にメンタル面でヒトへの影響が懸念されます。 生活にアートを取り入れながらワクワクする快適な生活に向けてお役に立つブログにしたいと思います。

生き方

今回は、私の本棚で最も大切にしている本「生き方」について、書いてみます。
著者は皆さんご存知の京セラ名誉会長 稲盛和夫さんです。実は、私が島根県の松
江市に転勤してたとき、盛和会でご本人にお会いできたのです。
それも、その本を持参してお話をさせて頂いたところ、本に直筆で「敬天愛人」とサインを頂戴しました。
この盛和会は中小企業の皆さんが稲盛さん講話を拝聴し、そして稲盛さんを囲んでの素晴らしい会ですが、残念ながら今年で終わりとなるニュースをみました。
この本は何度も繰り返し読みましたが、今般改めて本書を纏めてみました。

<プロローグ>
1.魂を磨くことが、この世を生きる意味
一つのことに打ち込んで、一所懸命に働き、日々の精進を通じて、自ずと魂が磨かれていき、厚みのある人格を形成していく。
仕事を心から好きになり、一所懸命精魂を込めて働く。それだけでいいのだということです。
2.考え方を変えれば、人生は180度変わる
常に前向きで建設的であること。明るく肯定的であること。善意に満ち、思いやりがあり、やさしい心をこっていること。努力を惜しまないこと。足るを知り、利己的でなく、強欲ではないこと。
3.心に描いたものが実現するという宇宙の法則
人生は心に描いたとおりになる、強く思ったことが現実となって現れてくる(宇宙の法則)。
利他の心、愛の心をもち、努力を重ねていけば、宇宙の流れに乗って、素晴らしい人生を送ることができる。それに対して、人を恨んだり憎んだり、自分だけが得をしようといった私利私欲の心を持つと、人生はどんどん悪くなっていくということ。

第1章 思いを実現させる
1.強烈に思い続けることが大切(松下幸之助ダム式経営)
ダムを持たない川は大雨が降れば洪水、日照りが続けば水不足となる。が、ダムを造れば天候や環境に左右されんない。
では、どうすれば、ダムができるか?
ダムを作る方法は人それぞれだが、まず、強く「つくりたい」と強烈に思い続け、考える抜かないと成功も近づいてこない。
ただし、アイデアや構想は大胆に、具体的に計画に移す時はあらゆるリスクを想定し、慎重かつ細心の注意を払って厳密にプランを練ることである。
2.運命は自分の心次第
自分に起こるすべてのことは、自分の心が作り出している。自分の可能性を信じて、現在の能力水準よりも高いハードルを課し、その目標を未来の一点で達成すべく全力を傾ける。そして、潜在力をONにするには、プラス発想や積極思考の心の持ち方が大きく作用する。
ただし、どんな大きな夢の一歩一歩、今日一日の地道な努力の積み重ねの果てにある。今日より明日、少しずつでいいから改良や改善を加え、「創意工夫する心」が成功へのスピードを加速させる。

 

第2章 原理原則から考える
1.人生も経営も原理原則はシンプルがいい
原理原則、「人間として何が正しいのか」というシンプルなポイントに判断基準をおく。嘘をつくな、正直であれ、欲張るな、人に迷惑をかけるな、人に親切にせよ。

2.自分人生ドラマをどうプロデュースするか
人生とはドラマであり、自分がその人生の主人公。そのドラマの監督、脚本も自分自身でこなすことができる。ドラマを中身の濃い、充実したものにするためには、一日一日、一瞬一瞬を「ど」がつくほど真剣な態度で生きていく。
3.現場で汗をかかないと何事も身に付かない(本田宗一郎の経営セミナーで)
「温泉に入って、飲食いしながら経営が学べるわけがない。やることは一つ、さっさと戻って、仕事に励みなさい。」
偉大な仕事をなしうる知恵は、経験を積むこと。自らが体を貼って取り組んだ実体験こそが、最も貴い財産となる。

第3章 心を磨き、高める
1.リーダーには才よりも徳が求められる(中国の明代の思想家、呂新吾(ろしん
ご)
「深沈厚重なるは、これ第一等の資質(人格)。磊落(らいらく)豪雄なるは、こ
れ第二等の資質(勇気)。聡明才弁なるはこれ第三等の資質(能力)。
2.心を磨くために必要な「六つの精進」
どうしたら心を磨き、魂をたまれることができるか。
①だれにも負けない努力をする(人よりも多く研鑽する)、②謙虚にして驕(おご)らず(謙虚な心が幸福を呼び、魂を浄化させる)、③反省ある日々を送る(日々の自分の行動や心のありようは自分のことだけを考えていないか、卑怯な振る舞いはないか自省自戒をして、改めるよう努める)、④生きていることに感謝する、⑤善行、利他行を積む(思いやりのある言動を心がける)、⑥感性的な悩みをしない(不平、後悔なきよう、全身全霊を傾けて取り組む)。
3.天網恢恢(かいかい)疎にして漏らさず
人間のすること、思うことの理非曲直を神様は実によく見ている。従って、描く願望や情熱はきれいなものではなくてはならない。
よって、私心を含まず、きれいな心を思う。
人間のすること、思うことの理非曲直を神様は実によく見ている。

4.お釈迦様が説く「六波羅蜜」を心に刻め
(1)布施;世のため人のために尽くす利他の心を持つ。
(2)持戒;人としてやってはならない三毒(欲望、愚痴、怒り)を戒め、自己を
コントロールする。
(3)精進;何事にも一所懸命に取り組むことで、人格を高める。
(4)忍辱(にんにく);苦難に負けず、耐え忍ぶことが、心を鍛え、人間性を磨
く。
(5)禅定(ぜんじょう);一日一回は心を清め、静かに自分を見つめ、精神を集
中して、揺れ迷う心を一点に定めることが必要である。
(6)智慧;(1)〜(5)の修養に努めることで、宇宙の「智慧」、すなわち悟
りの境地に達することができる。

 

稲盛さんは、2010年日本航空会長に無報酬で就任され、赤字続きだった日本航空を3年足らずで再上場させたのはあまりにも有名です。 再建時には幹部社員との相当の激論を交わしても、そのあとの懇親会では自ら社員と笑顔で対話する稲盛さんの人望が社員の心を動かしたとのこと。利他の心、因果応報の法則です。

 

第4章 利他の心で生きる
1.心の持ち方一つで地獄は極楽にもなる(円福寺、老師の話)
地獄と極楽には同じような大きな窯があり、ぐつぐつおいしそうなうどんが煮えている。これを1mの長さの橋で、地獄の者は我先にと争い、誰一人うどんを口にすることができず、痩せ衰えている。それに対して極楽では、自分の長い橋でうどんをつかむと、窯の向こうの人の口に運び、「あなたからお先にどうぞ」と食べさせてあげる。
2.自然の理に学ぶ「足るを知る」という生き方
自然界は「調和的な」命の連鎖の輪の中にある(植物を草食動物が食べる→草食動物を肉食動物が食べる→動物の糞や屍は土に返り、植物を育てる)。そのため、その輪を壊さないよう必要以上にむさぼらないという節度が本能的にある。
人間は、知性を真の叡智とすべく、自らの欲望をコントロールする術(すべ)を身につけねばならない。私欲はほどほどにし、残りは他と共有するやさしい気持ち。他の与え、他を満たす思いやりの心が地球を救う。

第5章 宇宙の流れと調和する
1.因果応報の法則;善きことを思い、善きことを行うことによって、運命の流れを善き方向に変えることができる。人間は運命に支配される一方で、自らの善思善行によって、運命を変えていける存在でもある。
<運命は宿命にあらず、因果応報の法則によって、変えることができる>中国の古典「陰隲録(いんしつろく)」
袁了凡(えんりょうぼん)の話
天が決めた運命もおのれの力でかえられる。善き思い、行いを重ねていけば、そこに因果応報の法則が働いて、運命に定められた以上の善き人生を生きることができる(立命)。

2.結果を焦るな、因果の帳尻はきちんと合う(中国明代の「菜根譚(さいこんた
ん)」
「善を為すもその益を見ざるは、草裡(そうり)の東瓜(とうか)のごとし」
善行をしても、その報いが現れないのは、草むらの中の瓜のようなものである。それは人目には見えなくても、おのずと立派に成長しているものである。結果を焦らず、地道に善行を積み重ねるよう努めるのが大切である。
3.森羅万象を絶え間なく成長させる宇宙の流れ
宇宙の始まりにあたり、まずビッグバン(130億年ほど前)で素粒子同士が結合し、高分子を形成し、高分子はDNAという遺伝子を取込んで、「生命」を誕生させた。宇宙の歴史と、素粒子から高等生命体への進化発展する、ダイナミックな過程である。
宇宙には、一瞬たりとも停滞することなく、すべてのものを生成発展させてやまない意志と力、もしくは気やエネルギーの流れのようなもの(サムシング・グレートという偉大な存在、人によってはそれを神という)が存在する。しかも、それは「善意」によるものであり、人間をはじめとする生物から無生物に至るまで、いっさいを「善き方向」へ向かわせようとしている。すなわち、宇宙の意志と同じ考え方、生き方(感謝や誠実な心、一生懸命働くことや素直な心、反省を忘れない気持。利他の精神)によって必然的に人は成功発展の方向へ導かれ、その運命も素晴らしいものになっていく。

最後の宇宙の法則は、日本の素晴らしい言葉「真善美」が思い出させます。
人間の理想である、真は嘘がなく、善は正しく、美はうつくしくです。