あーとらいふのススメ

これからの時代、IOTやAIなどデイ四次産業革命が一層進展します。一方、急激な変革の中でこれまで以上にメンタル面でヒトへの影響が懸念されます。 生活にアートを取り入れながらワクワクする快適な生活に向けてお役に立つブログにしたいと思います。

モンテッソーリ教育からみえる教え方

先日から、子育てに関して、「モンテッソーリ教育」を勉強してみました。
自分の子供の時は、妻任せで全く関心もありませんでしたが孫になると(笑)

モンテッソーリに関して、数冊の本を読んでみましたが、これは子供のみならず新人教育などにも分かり易く指導するうえでの手本になります。
以下、ちょっと纏めてみました。

人格形成の基礎は、幼児期前期(0〜3歳)の各部分が別々に発達する時期と幼児期後期(4〜6歳)の全ての部分が共に働き、組織化され統合される時期でほぼ形成されるそうです。

1.幼児期前期は、日常生活の一つひとつの行動を確実に身に着ける時期であり、二本足歩行や手を使うことができ始め、言葉が出始め「自分で!」と主張し始めます。
この時期の親の注意点は、4つあります。

① 接し方:助け過ぎない、待つことだそうです。
具体的には、自分で靴を脱いだり履いたりしたがった時には、自分で気が済むまでやらせ、じっと待つ。介助するときは、できるだけゆっくりと一つひとつ動作を見せることでそうです。
例えば、ファスナーの上げ下ろし、Tシャツを被る、ズボンを両足に通して引っ張り 上げる。自分で納得いくまで試行錯誤させたうえで最後の最後に、金具を外す部分、Tシャツの袖通しの介助、ズボンのお尻側を引っ張り上げる等、少し手伝うと、どんどん自分でできるようになるそうです。

② 環境:自分でできるように環境を整える。子供の衣服、玩具、文房具、絵本を全て子供の手の届くところ、見えるところに収納します。食器類も同様に、タオル掛け、歯ブラシも低い位置に用意する。高さ調節にステップ台(牛乳パックの椅子)も用意する。
大切なことは、環境の一部には親も入ります。つまり、親が靴を脱いだら揃える、着替えた服はたたむ、言葉遣いに気をつける(ものの頼み方、お礼、挨拶など)という生活態度の手本となることです。

③ 提示:ゆっくり見せる。例えば、ハサミやピーラー、ナイフは安全な持ち方や渡し方をきちんと見せ、ゆっくりと使い方を示します。工作でも同様に個別の部品の扱い方をキチンと見せて説明します。お茶の注ぎ方、お料理のお手伝いもゆっくりとやり方を見せます。

④ 適切な言葉かけ:子供の人格を尊重した物言いを心がけます。「ダメねえ」「何やってるの!」という否定的、NGワードは使わない。子供ができないのは、運動調整が不完全か、やり方を知らないだけです。むしろ反省点は、正しく導くことができていない大人にあります。

※親を指導する先輩や上司に置き換え、子供を新入社員に置き換えて身で下さい。どうですか。

2.幼児期後期(4〜6歳);全ての部分が共に働き、組織化され統合される時期は以下の5つがポイントです。

①動機付け;まず「ジーッと見る」のです。見ている目線の先には必ず、「動き」があります。

② 自分の意志で取り組む;「やりたい」と意思表示したら、「ゆっくり、ハッキリ」して見せます。その動きをジーッと真剣に食い入るように見たら、「やってみる?」と声を掛けます。

③自分のリズムで繰り返す;必ず、自分から取り組み始めますが、最初は上手くいきません。しかし、粘り強く挑戦します。

④全力で傾注; 繰り返しながら、深く集中します。

⑤ 深い充実感と喜び;とことんやり抜いたら、突然パタリとやめます。「おしま い」とか「終わった」とかつぶやいて自分からやめ、スッキリした顔になったり、目をキラキラ幸せそうにします。

※この時期って、新入社員研修を終えて、慣れてきた時期に当たりませんか。

モンテッソーリ教育では、「正常化」へ導くことで、自分で選び、目標を決める→自分で選んだこと、目標にしたことを実現するために、困難があっても努力し続ける→全力をかけて困難を乗り越え、充実感や喜びを味わうようになるといっています。
正常化とは、落ち着きがない、ボーっとしている、乱暴な子どもが、モンテッソーリ教育で、「変わる」動作をいいます。

結果、共通する特性として、
・順序立てて、物事を考えることができる。
・何をするにも、計画を立て、順序を踏んで、着実に実行する。
・段取りが良い。
・先を見通すことができる。
・状況の読み取りが早く、臨機応変に対処することができる。
・ひとりでたじろがない。責任ある行動ができる。

※これって、もう社会人の優等生が出来上がってますよね。

2.「提示」という教え方
さて、これからが最も重要なとこれです。
指導するうえで、どのようにしたら教えたことを実行するようになるのかということです。教えても、中々実行できないといことはよくあることです。
つまり、相手が腹落ちしなけらば教える意味がないですね。

ここが、モンテッソーリ教育の素晴らしいところで「提示」という指導方法です。
提示とは、使い方を分かりやすく「して見せる」術です。
まず、できるようになりたい」という願望を確認する。確認するには、「やり方」を見せてもらう時、食い入るように「ジーッと見る」動作があり、「やれそう」と思いやり始める。

①教えたい活動を一つだけ取り出す
②一連の動作を分析して、一つひとつの動きを切り離す
③一つひとつの動きを正確に、ハッキリ示す
④ゆっくり、順序立てて、意識して、やって見せる
⑤その際、言葉を伴わない(動作と言葉を離す)

些細な行動、例えば、「ボタンのとめ方」、「ひもの結び方」、「靴の揃え方」、「カバンの片づけ方」、から始めます。複雑な「花を水切りして生ける」「洗濯して干す」に至るまで「提示」という教え方で丁寧にして見せ、それをよく見て、自分で実行できるように見守っていきます。
その過程で脳のミラーニューロンはイキイキ働くそうです。

 ※「三段階レッスン」・・・物の名称を教える時

①「これは〇〇です」例えば、リンゴとバナナ
 (2つの物の一方の)実物を指し、物の名称をハッキリ発音する
②「○○はどれですか?」
 たずねた物を選ばせる
 1回だけでなく、位置や順番を変えて、繰り返したずねる
③ 「これは何ですか」
 子供が物の名称を答えることによって、物と名称が一致したことが確認できる

3. モンテッソーリ教育で「人をほめる」「自分らしく生きる」ようになる理由
① 「良いものを見て学ぶ」習慣が身についたら、「良い」ものに敏感に目を止めるようになり、「良い」ものに憧れ、感心する。
② 「自分で選び→自分のリズムで努力し→全力で乗り越え→できるようになる」と いうプロセスを幼児期に繰り返すと、他人の努力の過程が分かり、成功の喜びを共感できる。
自分と同じように、他人にも、それなりの目標があるので、人の生き方を認める。自分の生き方も認めてほしいから、他人と比較しないこととあります。

現在の企業でOJTでの先輩指導が行われているのでしょうが、目的は確実に伝授していくことだと思ういます。
社会人であっても、この「指導方法」は学ぶべき点が多いと思いませんか。