あーとらいふのススメ

これからの時代、IOTやAIなどデイ四次産業革命が一層進展します。一方、急激な変革の中でこれまで以上にメンタル面でヒトへの影響が懸念されます。 生活にアートを取り入れながらワクワクする快適な生活に向けてお役に立つブログにしたいと思います。

宇宙を味方にする方法

以前、尊敬する税理士の先生に講演をお願いしたときの「障害を克服する方法」を聴いた。
それは自分を宇宙から第三者的に見るというものだった。
眼を閉じて真っ暗な宇宙を創造してみて下さい。
そこに真っ青な美しい地球を、貴方は宇宙の果てから見ているのです。
その地球の小さな日本の今の場所に貴方は居るのです。
そこで、何を悩んでいるのでしょうか。大宇宙の中のちっぽけな地球という星の、そのまた日本という小さな島の中でです。
一人の人間お悩みなんで、この大宇宙の中からみるとゴミにも当らないものなのでしょう。
そう考えた時から、ふーっと肩の力が抜けたように感じました。

それまでは、学生時代に行ったアメリカ貧乏旅行での①グランドキャニオンの風景、②エルパソへ入ったときの子供たちの光景だった。どうにか半日かけてグランドキャニオンの丘に立ってみた光景は、地球の歴史そのものであり自分の悩みのちっぽけさを思い知らされた。エルパソでは、裸足の子供たちが1ペソ1ペソと駆け寄ってくる。その奥には並ぶテントから土産物らしきものを売る男たちが、卑猥な日本語で呼び込みをしている。心無い日本人が教えたのだろう。子供たちの貧しい姿に目ぐまらた環境の自分を感じるとともに、同じ日本人として恥ずかしさも感じた。


大地に立って、目を閉じるてみましょう。
私たちは地球の上に立ってます。
そして、大宇宙の中で地球の上に立っている自分を創造してください。
何て壮大で清々しいのでしょう。

世の中には「見える世界」と「見えない世界」とから成り立っています。
私たちは普段見える世界しかみていませんが、目に見えない世界の方が無限に広がっているのです。そこには、宇宙の波動があるのだそうです。それを意識して調和することで、宇宙のパワーを味方にすることができるのだようです。
ただし、10の心(① 感謝、②親切、③思いやり、④いたわり、⑤奉仕、⑥明朗、⑦素直、⑧謙虚、⑨人の幸せを喜ぶ、⑩プラス思考)も併せて、自分のものにしていかねばならないとのことです
(七田式「波動&右脳」開発法より)。

以下参考までに瞑想の仕方を記載します。

朝晩
全部の脳を働かせる方法(約10分)
瞑想;目を閉じて心を落ち着かせる1分
松果体(しょうかたい)を目覚めさせる瞑想の仕方;松果体とは間脳にある小さな器官で、様々な能なホルモンのコントロールしている。その中心が潜在意識を目覚めさせる。
・意識をてっぺんに(百会ひゃくえ)に持っていき、意識を集中する。
・第三の目(印堂いんどう)に意識を移し、百会から印堂につながるコードをイメージする。
・脳下垂体(脳の中心部)へ意識を集中し、印堂からつながるコードをイメージする。
松果体(脳下垂体の奥、斜め上部)へ伸びるコードをイメージし、往復して全行程を繰り返す。
・次に第三の目に光の玉をイメージし、全行程に流す。
瞑想すると自分の生命の存在の意味を悟るようになる。瞑想で宇宙を存在させ、地球を存在させ、人間を存在させる意識を「宇宙意識」という。その神秘的な偉大な力を知るようになる。

※太陽瞑想
早朝、人差し指と親指で〇を作り、輪の中の太陽を一瞬見て目を閉じ、光を喉、肩、胸、腹、丹田と全身を太陽エネルギーで満たし、腹式呼吸を3~5回する。

是非、やってみて下さい。

ストレス対策

最近、SDGsへの取り組みが至る所で聞かれるようになった。人間による地球上の問題として解決していかねばならない重要な課題です。
国内でも、日本として少子高齢化、貧困格差、介護、いじめ、家庭内暴力ブラック企業など解決していかねばならない問題が山積みです。
その中でも、結末として「自殺」という命に係わってくるる題は優先的に取り組んでいくべき問題です。

2019年3月28日厚労省における調査で、2018年の自殺者は20,840人であり9年連続の減少になったことが分かりました。これは自殺対策として2006年自殺対策基本法が制定されたことの成果であろうが、依然として2万人を超える方が自らの命を絶っており、自殺死亡率は(人口10万人当たりの自殺者数)は主要先進7か国の中で最も高いことには変わりはありません。

 

特に20代や30代における死因の第1位が自殺であり、本当に悲しい結果です。
このような背景からかメンタルチェックが施行され、職場におけるメンタルヘルスケアに取り組んでいる事業所の割合は、59.7%(2015年)っており、50人以上の事業所は80%を超える割合となっているが、10〜29人の事業所は52.9%という結果でした。

職場におけるストレスの原因Top3は、①仕事の質量57.5%、②対人関係(セクハラ・パワハラ含む)36.4%、仕事の失敗、責任の発生等33.2%であり、「相談できる人がいる」と84.6%の割合で回答されています(厚労省2015年労働安全衛生調査より)。

この結果、果たして問題解決にはどの程度至っているのでしょうか。自殺者数と比較する難しい面もあるのでしょうが、相談したとしても最終的には自らが解決に向けた働きかけをしていかねばなりません。
また、ストレス社会の中で誰しもが何かしら大なり小なり抱えています。大切なのは、日頃から発散する場所をつくっているかどうかではないでしょうか。

ストレス対策として、皆さんは何をやってますか。
スポーツ、趣味、食事、お酒、対話などなど。

この現代のストレス社会はこれから一層激しくなっていくように思います。
ご承知の通り、現在は「第4次産業革命」として、AI、IOT、ビッグデータ、自動運転、ドローン、ブロックチェーンと一層の変革がスピードアップして訪れてきました。

現在の仕事の60%はAIに変わっていくといわれています。これからの時代の若者や次世代を担う子供たちは、益々激しくなる競争社会の中で、どのようにすれば生き残っていけるのでしょうか。
ヒトはこれまで以上に「個」になっています。結果、所詮は寂しがりやの人は「輪」を求めていくでしょう。きっと、コミュニケーション能力は今まで以上に大切になってくるでしょう。
ストレスに負けない自己を研鑽し、ストレスを発散できる環境を自らがつくりっていくことが重要です。そして、「自己の強み」を発揮していくことこそが、生きる力になっていくでしょう。

コミュニケ―ション

近頃は、何でもメールになってしまいました。
確かに、スピーディにかつ確実に伝える手段としては便利です。
一方、手書きのはがきや手紙とは違って、気持ちを伝えるのは難しいものです。
気持ちを伝える手段としては、相手を前にしてアイコンタクトで話すことが一番ですね。
特に謝罪、お礼や賞賛などは直接相手を目の前にした方が気持ちが伝わります。

相手に気持ちを伝える順番としては、対話→電話→手紙→メールなのでしょう。遠方の方へ急ぎの時は電話もやみなしですが、社内で横にいる人にもメールで回答するのも普通になってきているのは如何なものかと思います。
いずれにしても、自分だったらどの伝達手段だったら気持ちが伝わるかを一旦考えてみましょう。

そういう時代だからでしょうか、会話をする機会が減ってきたようです。そういう私自身もメール文化にどっぷり漬かっており、コミュニケーション不足から対話が億劫になってしまうこともあります。

さて、相手に自分の思いを伝えるのは本当に難しいものです。
特に人間関係ができていない相手には、一言で反感を受けることもあります。
特に仕事上で初めての方にお会いする場合は緊張もします。
今回は、コミュニケーション力アップのために注意したいポイントを4つ書いてみ
ます。

1.心がけたいのは、笑顔で接することです。そのためには、鏡で笑顔の練習、電
話の時も笑顔で話すことです。
その場の雰囲気を和らげるためにも、まず、自分が裸になる。世の中の話題、誰で
もわかりやすい話、自分の若いころの失敗談等いいかもしれません。

2.そして、常に誠意をもって、真剣に真正面から対話しましょう。もし、いたら
ない点があったとしたら素直に頭を下げる勇気を持ちましょう。
相手が間違っていたとしても、相手を変えることはできないと思った方がいいで
しょう。

3.でも、最良のコミュニケーション能力の発揮ができるのは、話すことよ
り、「よく聴く」に徹することです。
目や表情、動作も含めて、相手に向かって真剣に聴くことが大切です。
相手の心情を考えながらうなずく、同調することです。相手への配慮が欠けていた
ら、自分の思いは伝わりません。
そのためにも、相手がどんな環境で働いているか、どんなことを思っているか
等、相手のことを十分観察する必要があります。

4.褒める場合は、嘘を言わないこと。心から真剣にほめることです。
思いやれる範囲は、自分の大きさと同じです。
自分のことばかり考えている人に真の説得力はありません。人は、自分のことを
思ってくれている、考えてくれている、理解してくれている人のために力を尽くし
たいと思うものです。

そういう私もできてません。
努力します。

ゴッホと日本画

最近は日本画にどっぷり漬かってますが、そのキッカケとなったのは片山球子さん
でした。
大胆かつ、色彩感覚豊かなタッチはスカッとするものがあります。
一方、洋画では「ひまわり」で有名なオランダ出身の画家フィンセント・ファン・ゴッホ が同じ魅力を持った画家です。
彼は油絵で力強く荒々しい、強烈な色彩による数多くの作品を10年という短い間に残しました。
画家の内面をそのまま反映したかのような独自の表現は、鑑賞者を魅了します。
今回は、のゴッホの素晴らしさを、日本画と対比してみました。

1.絵画を構成する二つの要素
色彩感覚に優れたゴッホは、中間色である灰色(実際には色んな混色による灰色がある)を巧みに使用した。注目すべきは、色彩的に深く、色彩の響きあいを出 すために、灰色の周辺にくすんだ赤、赤紫、紫、青紫、青、青緑、黄 緑、黄、橙、朱などの色が散らばらせました。また、「補色(互いに引き立てあう色)」の効果が互いの色を輝かせ、色に深みがありました。
この補色の使い方は、私も「色彩」を勉強して知りましたが、活用できるようになりたいものです。

2.同じことを繰り返さない
ゴッホは、オランダ時代、ものごとを極めるためにはそれ相応の枚数が必要と考え、同じテーマで20枚を超えるモチーフや人物、風景を描いています。新しい作品に向かう時には、同一のテーマの作品を多数描いたが、単純な模写や繰り返しは 一枚としてないのです。
同じ繰り返しをしない、これは日本画で同じで相通じるものがあります。

3.色彩への繊細な感性、観察力とこだわり
ゴッホの空は白ではなく、赤、青、黄などを使い、味のある雲が輝いています。
画家は自由に思いを色に表現する。これが絵画の醍醐味であり、楽しいところです。
 大切なことは作品に効果を上げ、表現として生きたかどうかです。その評価は見る人が決めます。

4.浮世絵が果たした役割
ゴッホといえば、日本の「浮世絵」に感銘して作品にしていることでも有名です。
日本の絵画と洋画の違いを列挙してみると、①陰影がない、(よって、丸みや量
感がない)、②奥行のある遠近感や立体的な再現にこだわっていない、③輪郭線が
重要な要素となっているなどです。
ゴッホは、浮世絵の辺面画に明るい太陽の刺激を受けながら、色彩の輝きの追求 に取り組んだのでしょう。そもそも、洋画の基本はデッサン力にあり、写実的ですが、これに対し、「省略と誇張」を重要視する日本画は、単純化や肉付けなどで思いを表現します。

5.素描、油絵、スケッチの関係
素描には、その場に立ち自分の目で見たことが描かます。油絵には、素描にはない新たな発見や糸が盛り込まれ、両者には必ずいくつもの不一致が見出せる。一 方、スケッチはタッチに勢いがあり、伝えたいことが端的に描かれ、説明的要素がありません。
ゴッホの作品には、描かれている作業する人や国旗のはためき方など、細かいところを見ても同じことを繰り返さないゴッホの信念が貫かれています。
日本画は、①写生を繰り返しながら、②題材を研究して相手を知ることから始まり、③その題材に対する作者の思いが「省略と誇張」によって作品となっていくところが面白い。

6.ゴッホの色の作り方
1. 灰色を作る。白、赤(カーマイン)、青(コバルトブルー)、黄の三原色を 灰色になるまで混色します。

2. それ以外に、朱、緑、青(ウルトラマリン・ブルー)などの基本色を加えます。

3. 12色環上の色は最高に鮮やかであるが、それだけを組み合わせても画面は心
地よく輝くとは限りません。人間の目に飛び込んでくる色彩の大半は原色ではく、人間の感性は違和感や拒絶反応を示します。

4. 明るい灰色にコバルトブルーを混ぜると、澄んだ透明な空になるが、灰色の代わりに白であれば、粉っぽく、深みがなく絵にならない。ゴッホの基本は、灰色の周辺の色を作りうまく対比させます。例えば、くすんだ色同士の小豆色と鶯色、この2色は単独では目立たない色であるが、並置すれば、渋く輝き、飽きのこない対比を作ってくれます。

ゴッホのパレット
基本的な色は、赤、黄、青の3色。「混合色」というのがオレンジ、緑、紫です。そこで黒や白もいくらか加えれば、様々な灰色が無限に得られるのです。

絵を描く悦び

私は絵が好きで、ここ数年日本画を描いています。
以前は、油絵やアクリル画を描いていましたが、日本画の天然岩絵の具の美しさに魅了された一人です。
パステルを使った絵も面白く、今でも使用した絵を描きますが、兎に角「面白い」の一言につきます。
日本画といえば、横山大観奥村土牛千住博が好きです。
横山大観先生が奥村土牛先生に、「すべての作品には宇宙がなければいけない」と仰ったそうですが、私には意味が分かりません。
ただ、千住博先生の書籍「日本画を描く喜び」に以下のようなことが書かれています。

今から約137億年前、真っ暗やみの宇宙は突然の膨張と共に直後に起こった大きな爆発(ビックバン)によって生まれた。全てが飛び散り、宇宙はまたたく間に圧倒的なスケールで広がり、その拡大は今でも続いている。
そして約46億年前に核融合で太陽が生まれ、同じ頃に10数個の小惑星が衝突して地球が生まれた。その衝突で火の玉のように燃えて大きな塊(かたまり)となった地球は、鉄分を含む重い岩石を中央に集めながら太陽を回る軌道に乗った。
地球の周囲には大量のガスが発生し、雨を降らせ広大な海が誕生した。そして、約37億年前に海中で生命が誕生した。その生命は単純なものから始まり、次第に複雑になって、長い年月をかけて生命は地上へと上がった。
やがて、動物が誕生し、長い道のりを経て約320万年前に人類の先祖へと進化した。
そしてヒトは、自然の石や砂を身に塗りつけ、身体を装飾することで宇宙とコミュニケーション、あるいは一体化を図ろうとした。
その後、2万4000千年前には彫刻を作ったり、その岩の粉や砂をもちいて壁に動物の絵を描き、言わば神話を語り継いでいくことになった。
やがて、人々は動物の油脂を使うことで画面に定着させることを考え、膠が生み出された。
更に1000年前の平安時代には和紙が考案され、今の日本画が生まれた。
従って、足元の角の取れた丸っこい石ころを見たら、その石ころは地球が誕生して以来、気の遠くなるような間、雨に打たれ、風に吹かれ、川に流され、海で洗われものかもしれない。もっと言えば宇宙そのものの神秘に通じるものであり、岩絵の具もまた宇宙そのものである。

そう考えると、日本画に限らず、キャンパスに絵を描くということは「自分の宇宙を描く」悦びなのだと思います。
描くことで、自己を表現し、かつ自ら癒されます。
日本画は「省略と誇張」であるといわれます。
自らの主張を「誇張」し、必要でないところを「省略」するところに面白さがあります。
音楽を聴きながら絵を描く、うまい下手は兎も角、私の悦びの時間です。

学問のすすめ

今回は、私たちがお札の中で大好きな福沢諭吉先生の『学問のすすめ』について纏めてみました。

福沢諭吉先生は「独立自尊」を唱え、「独立」と「実学」と「自由」と、それを踏まえた「合理主義」でした。
この精神さえ実行できれば、何ものも恐れるることはないと、同時に、我々凡人が立派な社会人となるための原理が、この一冊の中に詰め込まれています。

・人生を決定づける差とは
あまりにも有名な冒頭の言葉、「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」、この核心部分はズキンときます。
人間は生まれた時は確かに平等であるが、社会を見渡すと金持ちもいれば貧乏人もいる、賢人もいれば愚人もいる、身分の高い人も低い人もいる、このような不平等はいったいどこから生まれてくるのだろうか。と現実社会の格差を見せ、「それはただ、その人に学問の力があるかないかによって決まる」と明快な答えです。
諺に『天は富貴を人に与えず、これを人の働きに与うるものなり』とある。天は、人間の活力・労働の結果を見て富を与える、という意味です。もともと人間には差はない。学問に励み、物事をよく知った者は偉くなり富に栄え、無学なものは貧しく身分の低い人間になる、と実に分かりやすく、これを読むと「やっぱり学問をしなければダメなのか」と思わざるを得なくなります。
この本、もっと早くに読んでいたら人生も変わっていたのでしょうかね。

・「一身独立して一国独立す」
国民一人ひとりが独立し、賢くなることが国家の近代化と繁栄をもたらすものだという考えです。学問はそのための手段であり、そのことによって経済と精神 の基盤を両立させ、他人に依頼することのない独立心を養い、社会の発展に寄与する生き方ができることを提唱しています。いわばこれこそ、人の世を生き抜く根本精神であるといえます。
では、独立心がない者はどうなるのか。
ここからの決めゼリフです。「独立の精神がない者は、必ず他人を当てにし、他人を当てにする者は、必ず他人を恐れる。他人を恐れる者は必ず他人に媚びへつらう者となる。いつも他人を恐れ、媚びへつらう者は、いつしかこれが習慣となって、その面(ツラ)の皮が厚くなり、恥知らずの人間になる。」なんと、手厳しい。

・いつの世も変わらない原理原則
「自由と我がままの違いは、他人を妨げるかどうかにある」と説明して、次のような話をしています。「自分の金だから、酒を飲み、色遊びをして女に溺れても、自分の自由だと考えるのはおかしい。酒と色に溺れる遊びは、他人に影響し、友人を誘惑し、社会教育を妨げる。お金はその人間のものだとしても、社会に与えた罪を許すわけにはいかない、自由には程度というものがある」というのです。そして、「自由とは自分の分限(程度・立場)をよく心得、天の定めた道理に基づき、人間の情を大事にして、他人を妨げず、一身の自由を守ることである。さらに、「もし、この独立と自由を邪魔するものがあれば、世界万国を敵に回しても恐れること
はない。ましてや政府の役人などにも遠慮することはない。そのためにも人は学問をして才能と人格を磨くことが何よりも大切なのである」

・人間は「人望ある人」にならなければならない
「人望あってこそ大きな仕事もできる。誰もが『あの人は立派だ。頼もしい人だ。この仕事を任せても成功させてくれる』と、その人の人柄を頼もしく思い、期待される人物を人望のある人という。人間社会には人望のある人の大小はあるものの、ふだんから人に当てにされるような人物でなければ、ひとかどの人間とはいえない。
では、一身に備わった自分の本質を活かして、社会の為に役立てるにはどうすればよいのか。
まず第一に、言葉の使い方を学ばなければならない。文字を書いて意思を通じさせるのは有力な表現の手段である。だが、相手に自分の意思を伝えるには、言葉をもって話すほど有力なものはない。

第二は、明るく元気な顔で、人から嫌われないようにすべきである。人の顔は家に例えれば玄関のようなもので、人と広く付き合うには門戸を開き、入口を清潔にし、客が自由に入ってこられるようにしていることが大事である。
考えてもみよ。本当の友人はそう簡単にできるものではない。友人を得たいのならば、まず人を好きになること。
世間には人間が溢れているが、人は鬼でもなければ蛇でもない。恐れず、遠慮しないで、心情を丸出しにして素直に付き合うべきだ。決して人を毛嫌いするような人間にはなるな。」
ごもっともでございます。

独立自尊を貫いた立派さ
自尊の精神でいえば、明治の偉勲(イクン)たちが男の甲斐性といって妾を持つことを当然のようにしていたが、彼は夫婦の尊厳を保つ意味から、妻の身を愛し、浮気さえしなかったそうです。
さらには、これが最も関心なことですが、福沢先生は少年のころから人を呼び捨てにすることなく、「さん付け」で呼んだそうです。「くん付け」をしたがる人は、権威に屈服しやすく、下の者には尊大で、威厳を振りかざす人と見てよいのだそうです。独立自尊。この精神こそ、現代にあっても変わらず学ぶべき教えです。

生き方

今回は、私の本棚で最も大切にしている本「生き方」について、書いてみます。
著者は皆さんご存知の京セラ名誉会長 稲盛和夫さんです。実は、私が島根県の松
江市に転勤してたとき、盛和会でご本人にお会いできたのです。
それも、その本を持参してお話をさせて頂いたところ、本に直筆で「敬天愛人」とサインを頂戴しました。
この盛和会は中小企業の皆さんが稲盛さん講話を拝聴し、そして稲盛さんを囲んでの素晴らしい会ですが、残念ながら今年で終わりとなるニュースをみました。
この本は何度も繰り返し読みましたが、今般改めて本書を纏めてみました。

<プロローグ>
1.魂を磨くことが、この世を生きる意味
一つのことに打ち込んで、一所懸命に働き、日々の精進を通じて、自ずと魂が磨かれていき、厚みのある人格を形成していく。
仕事を心から好きになり、一所懸命精魂を込めて働く。それだけでいいのだということです。
2.考え方を変えれば、人生は180度変わる
常に前向きで建設的であること。明るく肯定的であること。善意に満ち、思いやりがあり、やさしい心をこっていること。努力を惜しまないこと。足るを知り、利己的でなく、強欲ではないこと。
3.心に描いたものが実現するという宇宙の法則
人生は心に描いたとおりになる、強く思ったことが現実となって現れてくる(宇宙の法則)。
利他の心、愛の心をもち、努力を重ねていけば、宇宙の流れに乗って、素晴らしい人生を送ることができる。それに対して、人を恨んだり憎んだり、自分だけが得をしようといった私利私欲の心を持つと、人生はどんどん悪くなっていくということ。

第1章 思いを実現させる
1.強烈に思い続けることが大切(松下幸之助ダム式経営)
ダムを持たない川は大雨が降れば洪水、日照りが続けば水不足となる。が、ダムを造れば天候や環境に左右されんない。
では、どうすれば、ダムができるか?
ダムを作る方法は人それぞれだが、まず、強く「つくりたい」と強烈に思い続け、考える抜かないと成功も近づいてこない。
ただし、アイデアや構想は大胆に、具体的に計画に移す時はあらゆるリスクを想定し、慎重かつ細心の注意を払って厳密にプランを練ることである。
2.運命は自分の心次第
自分に起こるすべてのことは、自分の心が作り出している。自分の可能性を信じて、現在の能力水準よりも高いハードルを課し、その目標を未来の一点で達成すべく全力を傾ける。そして、潜在力をONにするには、プラス発想や積極思考の心の持ち方が大きく作用する。
ただし、どんな大きな夢の一歩一歩、今日一日の地道な努力の積み重ねの果てにある。今日より明日、少しずつでいいから改良や改善を加え、「創意工夫する心」が成功へのスピードを加速させる。

 

第2章 原理原則から考える
1.人生も経営も原理原則はシンプルがいい
原理原則、「人間として何が正しいのか」というシンプルなポイントに判断基準をおく。嘘をつくな、正直であれ、欲張るな、人に迷惑をかけるな、人に親切にせよ。

2.自分人生ドラマをどうプロデュースするか
人生とはドラマであり、自分がその人生の主人公。そのドラマの監督、脚本も自分自身でこなすことができる。ドラマを中身の濃い、充実したものにするためには、一日一日、一瞬一瞬を「ど」がつくほど真剣な態度で生きていく。
3.現場で汗をかかないと何事も身に付かない(本田宗一郎の経営セミナーで)
「温泉に入って、飲食いしながら経営が学べるわけがない。やることは一つ、さっさと戻って、仕事に励みなさい。」
偉大な仕事をなしうる知恵は、経験を積むこと。自らが体を貼って取り組んだ実体験こそが、最も貴い財産となる。

第3章 心を磨き、高める
1.リーダーには才よりも徳が求められる(中国の明代の思想家、呂新吾(ろしん
ご)
「深沈厚重なるは、これ第一等の資質(人格)。磊落(らいらく)豪雄なるは、こ
れ第二等の資質(勇気)。聡明才弁なるはこれ第三等の資質(能力)。
2.心を磨くために必要な「六つの精進」
どうしたら心を磨き、魂をたまれることができるか。
①だれにも負けない努力をする(人よりも多く研鑽する)、②謙虚にして驕(おご)らず(謙虚な心が幸福を呼び、魂を浄化させる)、③反省ある日々を送る(日々の自分の行動や心のありようは自分のことだけを考えていないか、卑怯な振る舞いはないか自省自戒をして、改めるよう努める)、④生きていることに感謝する、⑤善行、利他行を積む(思いやりのある言動を心がける)、⑥感性的な悩みをしない(不平、後悔なきよう、全身全霊を傾けて取り組む)。
3.天網恢恢(かいかい)疎にして漏らさず
人間のすること、思うことの理非曲直を神様は実によく見ている。従って、描く願望や情熱はきれいなものではなくてはならない。
よって、私心を含まず、きれいな心を思う。
人間のすること、思うことの理非曲直を神様は実によく見ている。

4.お釈迦様が説く「六波羅蜜」を心に刻め
(1)布施;世のため人のために尽くす利他の心を持つ。
(2)持戒;人としてやってはならない三毒(欲望、愚痴、怒り)を戒め、自己を
コントロールする。
(3)精進;何事にも一所懸命に取り組むことで、人格を高める。
(4)忍辱(にんにく);苦難に負けず、耐え忍ぶことが、心を鍛え、人間性を磨
く。
(5)禅定(ぜんじょう);一日一回は心を清め、静かに自分を見つめ、精神を集
中して、揺れ迷う心を一点に定めることが必要である。
(6)智慧;(1)〜(5)の修養に努めることで、宇宙の「智慧」、すなわち悟
りの境地に達することができる。

 

稲盛さんは、2010年日本航空会長に無報酬で就任され、赤字続きだった日本航空を3年足らずで再上場させたのはあまりにも有名です。 再建時には幹部社員との相当の激論を交わしても、そのあとの懇親会では自ら社員と笑顔で対話する稲盛さんの人望が社員の心を動かしたとのこと。利他の心、因果応報の法則です。

 

第4章 利他の心で生きる
1.心の持ち方一つで地獄は極楽にもなる(円福寺、老師の話)
地獄と極楽には同じような大きな窯があり、ぐつぐつおいしそうなうどんが煮えている。これを1mの長さの橋で、地獄の者は我先にと争い、誰一人うどんを口にすることができず、痩せ衰えている。それに対して極楽では、自分の長い橋でうどんをつかむと、窯の向こうの人の口に運び、「あなたからお先にどうぞ」と食べさせてあげる。
2.自然の理に学ぶ「足るを知る」という生き方
自然界は「調和的な」命の連鎖の輪の中にある(植物を草食動物が食べる→草食動物を肉食動物が食べる→動物の糞や屍は土に返り、植物を育てる)。そのため、その輪を壊さないよう必要以上にむさぼらないという節度が本能的にある。
人間は、知性を真の叡智とすべく、自らの欲望をコントロールする術(すべ)を身につけねばならない。私欲はほどほどにし、残りは他と共有するやさしい気持ち。他の与え、他を満たす思いやりの心が地球を救う。

第5章 宇宙の流れと調和する
1.因果応報の法則;善きことを思い、善きことを行うことによって、運命の流れを善き方向に変えることができる。人間は運命に支配される一方で、自らの善思善行によって、運命を変えていける存在でもある。
<運命は宿命にあらず、因果応報の法則によって、変えることができる>中国の古典「陰隲録(いんしつろく)」
袁了凡(えんりょうぼん)の話
天が決めた運命もおのれの力でかえられる。善き思い、行いを重ねていけば、そこに因果応報の法則が働いて、運命に定められた以上の善き人生を生きることができる(立命)。

2.結果を焦るな、因果の帳尻はきちんと合う(中国明代の「菜根譚(さいこんた
ん)」
「善を為すもその益を見ざるは、草裡(そうり)の東瓜(とうか)のごとし」
善行をしても、その報いが現れないのは、草むらの中の瓜のようなものである。それは人目には見えなくても、おのずと立派に成長しているものである。結果を焦らず、地道に善行を積み重ねるよう努めるのが大切である。
3.森羅万象を絶え間なく成長させる宇宙の流れ
宇宙の始まりにあたり、まずビッグバン(130億年ほど前)で素粒子同士が結合し、高分子を形成し、高分子はDNAという遺伝子を取込んで、「生命」を誕生させた。宇宙の歴史と、素粒子から高等生命体への進化発展する、ダイナミックな過程である。
宇宙には、一瞬たりとも停滞することなく、すべてのものを生成発展させてやまない意志と力、もしくは気やエネルギーの流れのようなもの(サムシング・グレートという偉大な存在、人によってはそれを神という)が存在する。しかも、それは「善意」によるものであり、人間をはじめとする生物から無生物に至るまで、いっさいを「善き方向」へ向かわせようとしている。すなわち、宇宙の意志と同じ考え方、生き方(感謝や誠実な心、一生懸命働くことや素直な心、反省を忘れない気持。利他の精神)によって必然的に人は成功発展の方向へ導かれ、その運命も素晴らしいものになっていく。

最後の宇宙の法則は、日本の素晴らしい言葉「真善美」が思い出させます。
人間の理想である、真は嘘がなく、善は正しく、美はうつくしくです。